検査値について
血液検査
蛋白
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
TP | 総蛋白 | 6.6~8.1 | g/dl | 体に存在する多種類の蛋白質の総量。栄養状態や肝・腎機能の指標。 |
ALB | アルブミン | 4.1~5.1 | g/dl | 肝臓で合成される蛋白質。栄養状 態の悪化や肝障害の程度を反映して低下する。 |
肝・胆道系検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
AST |
アスパラギン酸 | 13~30 | IU/l | 代表的な肝機能の指標。筋、心疾患などでも上昇する。 |
ALT |
アラニンアミノトランスフェラーゼ | 男性10~42 女性7~23 |
IU/l | 肝臓や胆道疾患の指標で、高値になる。 |
LDH | 乳酸脱水素酵素 | 124~222 | IU/l | ほとんどの組織や臓器に分布する酵素。血液疾患、心疾患、肝障害、悪性腫瘍などで上昇する。 |
ChE | コリンエステラーゼ | 男性240~486 女性201~421 |
IU/l | 主に肝疾患で低下。有機リン中毒でも低下。脂肪肝で上昇。 |
ALP | アルカリホスファターゼ | 38~113 | IU/l | 肝・胆道系疾患、骨疾患などで上昇。 |
LAP | ロイシンアミノペプチダーゼ | 34~69 | IU/l | 黄疸の鑑別や肝・胆道系疾患の鑑別に有用で、高値となる。妊娠でも高くなる。 |
γ-GTP | γ-グルタミルトランスペプチダーゼ | 男性13~64 女性9~32 |
IU/l | 肝・胆道系障害を調べる検査。飲酒習慣でも上昇する。 |
T-BⅠL | 総ビリルビン | 0.4~1.5 | mg/dl | 黄疸の程度を見る。肝・胆道系疾患、ある種の貧血で上昇。また、体質が関係する場合もある。 |
D-BⅠL | 直接ビリルビン | 0.00~0.40 | mg/dl |
心臓
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
CK (CPK) |
クレアチンキナーゼ | 男性59~248 女性41~153 |
IU/l | 心筋や骨格筋などの組織・細胞の障害を反映。心筋梗塞、筋ジストロフィーなどで上昇。 |
TnT | 心筋トロポニンT(定性) | (-) | 心臓の筋腺維に含まれる蛋白。急性心筋梗塞発症時に上昇し、(+)となる。 | |
H-FABP | ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(定性) | (-) | 心筋細胞脂質に局在する蛋白。早期における急性心筋梗塞の診断指標。 |
膵臓
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
AMY | アミラーゼ | 44~132 | IU/l | 主に膵臓や唾液腺から分泌される消化酵素。急性・慢性膵炎や耳下腺炎で上昇。 |
腎・尿道系検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
UN (BUN) |
尿素窒素 | 8~20 | mg/dl | 腎機能低下で高値となる。 |
Cr (CRE) |
クレアチニン | 男性0.65~1.07 女性0.46~0.79 |
mg/dl | 腎機能障害の程度を見る指標。種々の腎疾患で上昇。 |
UA | 尿酸 | 男性3.7~7.0 女性2.6~5.5 |
mg/dl | 痛風や腎機能低下で高くなる。 |
電解質
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
Na | ナトリウム | 138~145 | mEq/l | 体内での水分調節の割合を見る。腎疾患やホルモンの異常、脱水などで変化する。Caの値で骨のカルシウム状態を見ることはできない。 |
K | カリウム | 3.6~4.8 | mEq/l | |
Cl | クロール | 101~108 | mEq/l | |
Ca | カルシウム | 8.8~10.1 | mg/dl |
脂質検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
T-CHO (TC) |
総コレステロール | 142~248 | mg/dl | 高脂血症とは血液中の総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロールのうちの少なくとも1つが病的範囲にある病気をいう。 |
TG | 中性脂肪 | 男性40~149 女性30~149 |
mg/dl | |
HDL-C | HDLコレステロール | 男性40~90 女性40~103 |
mg/dl | |
LDL-C | LDLコレステロール | 65~139 | mg/dl |
糖尿病関連検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
Glu | 随時血糖 空腹時血糖 |
73~139 73~109 |
mg/dl | 採血時の血中ブドウ糖の濃度を示す。糖尿病診断のための基本的な検査。食事の前後で変動が大きい。 |
HbA1c | ヘモグロビンA1c | 4.6~6.2 | % | 過去約1~2ヶ月間の平均的な血糖値を反映している。長期血糖コントロールの指標。 |
甲状腺検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
TSH | 甲状腺刺激ホルモン | 0.500~5.000 | μIU/ml | 脳の下垂体から分泌されるホルモンで甲状腺の機能を調節している。分泌量が多いと甲状腺の機能低下が、少ないと甲状腺の機能亢進が疑われる。 |
FT3 | 遊離トリヨードサイロニン | 2.30~4.00 | pg/ml | 甲状腺から分泌されるホルモン。分泌量が多いと甲状腺の機能亢進が、少ないと甲状腺の機能低下が疑われる。 |
FT4 | 遊離サイロキシン | 0.90~1.70 | ng/dl |
炎症検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
CPR | C反応性蛋白 | 0.00~0.14 | mg/dl | 炎症で上昇し、回復とともに減少する。 |
血沈 | 赤血球沈降速度 | (1時間値) 男性2~15 女性3~17 |
mm | 炎症や貧血などがあると上昇する。 |
貧血検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
Fe | 血清鉄 | 40~188 | μg/dl | 貧血の病態把握を行うための基本的な検査。Feが低いと鉄欠乏性貧血が疑われる。 |
UIBC | 不飽和鉄結合能 | 137~325 | μg/dl |
血液検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
WBC | 白血球数 | 35.0~95.0 | ×102/μl | 白血病などの血液疾患や炎症性疾患の診断、経過観察に用いる検査。 |
RBC | 赤血球数 | 男430~570 女376~500 |
×104/μl | 貧血、多血症の診断に用いる基本的な検査。 |
Hb | ヘモグロビン | 男13.6~17.6 女11.3~15.2 |
g/dl | 貧血などの血液疾患の検査。 |
Ht | ヘマトクリット | 男39.0~52.0 女33.0~45.0 |
% | 貧血などの血液疾患の検査。 |
MCV | 平均赤血球容積 | 80.0~101.0 | fl | 貧血の分類に用いる赤血球の指数。 |
MCH | 平均赤血球血色素量 | 26.0~35.0 | pg | |
MCHC | 平均赤血球血色素濃度 | 31.0~36.0 | % | |
PLT | 血小板数 | 13.0~37.0 | ×104/μl | 出血を止めるという重要な働きがある。減少すると血が止まりにくくなる。 |
Reti | 網状赤血球数 | 2.0~26.0 | % | 若い赤血球で、貧血の検査として有用。 |
Neut | 好中球比率 | 35.0~75.0 | % | 白血球にはさまざまな種類があり、その比率から感染症、各種白血病、血液系の悪性腫瘍などの診断に有用。 |
Eosino | 好酸球比率 | 0.0~10.0 | % | |
Baso | 好塩基球比率 | 0.0~3.0 | % | |
Mono | 単球比率 | 0.0~12.0 | % | |
Lymph | リンパ球比率 | 20.0~60.0 | % |
凝固線溶検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
出血時間 | 出血時間 | 1~5 | 分 | 皮膚に切り傷をつくり、そこからの出血が止まるまでの時間を測定する。止血までの時間が延びたら、血小板、凝固因子、血管の因子の異常を考える。アスピリンなどの薬剤を服用していると血が止まりにくくなる。 |
凝固時間 | 全血凝固時間 | 5~12 | 分 | 血液が試験管の中で固まるまでの時間を測定する検査。試験管の中で血液が固まるのに関わる因子の異常を調べる。 |
PT | プロトロンビン時間 プロトロンビン活性 INR |
10.0~13.0 80~120 0.90~1.13 |
秒 % |
外因系凝固機序を反映。凝固因子異常疾患、肝疾患やビタミンK欠乏症などによる凝固因子減少のスクリーニング、または経口抗凝固療法のモニタリングにも用いられる。 |
APTT | 活性化部分トロンボプラスチン時間 | 26.0~38.0 | 秒 | 内因系凝固因子活性のスクリーニングとして用いられる 血友病やDICなどで延長する。 |
Fib | フィブリノーゲン | 170~410 | mg/dl | 凝固因子の1つ。凝固因子としての機能以外にも、感染や悪性腫瘍などで増加する。 極端に低下すると出血傾向も見られる。 |
FDP | フィブリン・フィブリノゲン分解産物 | 5以下 | μg/ml | 体内で作られた血栓が溶けるとき(線溶)にできるフィブリンやフィブリノゲン分解産物の総称をFDPといい、DダイマーはFDPの一部。DICや血栓症で高値となる。 特にDダイマーは深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の診断に有用。 |
Dダイマー | Dダイマー | 1以下 | μg/ml |
ピロリ菌検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
迅速ウレアーゼ試験 | ウレアーゼ試験 | 陰性 | 胃カメラにて採取した胃粘膜組織にてピロリ菌の有無を調べる。 | |
H.ピロリ抗体 | 抗ヘリコバクターピロリ抗体 | 陰性 | 尿中のピロリ菌に対する抗体を調べ、ピロリ菌の感染の有無を調べる。 |
肝炎検査
検査項目名 | 基準値 | 単位 | 検査の意味 | |
HBsAg | HBs抗原 | (-) | B型肝炎の検査。以前に感染したことがあれば(+)。 | |
HCV | HCV抗体 | (-) | C型肝炎の検査。以前に感染したことがあれば(+)。 |
尿検査
検査項目 | 基準値 | 検査説明 |
糖 | (-) | 血糖値が160~180g/dl以上になると尿に糖が出てくるといわれている。 糖尿病や腎機能障害などで(+)になる。 妊娠やストレスなどでも(+)になることがある。 |
蛋白 | (-) | 主に腎機能障害で(+)になる。 運動後やストレスなどでも(+)になることがある。 |
潜血 | (-) | 尿中に赤血球が出現すると(+)になる。 腎臓・尿管の炎症、膀胱結石、腎・尿路系の悪性腫瘍などで(+)になる。女性の場合、月経血が混入して(+)になることがあり、生理中は行いません。 |
ケトン体 | (-) | 糖尿病など血糖管理がうまくできていないときに(+)になる。嘔吐、下痢などでも(+)になることがある。 |
ウロビリノーゲン | (±) ※(-)は異常 |
肝臓の機能低下や胆道の病気で(+)になる。 便秘でも(+)になることがある。 |
尿沈渣 | 腎・尿路系の炎症や悪性腫瘍などで異常な細胞、赤血球・白血球の増加などがみられる。 |