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もの忘れ外来


「もの忘れ」と聞くと認知症を思い浮かべてしまいますが、実は認知症の原因となる病気は多岐にわたります。代表的な認知症には「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」などがありますが、脳腫瘍や水頭症など脳の病気によるもの、ビタミンなど栄養不足によるもの、感染症によるもの、ホルモンバランスの崩れによるもの、などなど他の身体の病気に由来するものも多くあります。また、うつ病など精神的な不調が隠れている場合もあります。

認知症は治らない病気だと思われがちですが、このような他の病気が原因で、あたかも認知症のような状態になっている場合は、「治療可能な認知症」と呼ばれることがあります。その場合は早期に治療すれば改善させることが可能ですが、一般的な診療の中では見逃されてしまうことも少なくありません。「最近、もの忘れが多くなった」など、不安や悩みをお持ちの方はもの忘れや認知症を専門とした外来を一度は受診されてみることをお勧めします。

永生クリニックのもの忘れ外来では、初診時に一般的な問診に加え、もの忘れの程度を調べる検査を行います。その診察結果に応じて血液検査や脳の画像検査などを適宜追加します。当院ではCTやMRIといった検査が可能ですが、さらに詳しい検査が必要な場合には連携機関である東京医大八王子医療センターで検査を受けていただくこともございます。
検査の結果を踏まえて、もの忘れの原因を考え、その後の治療やケアの方針を組み立てていきます。もしも、「治療可能な認知症」が見つかった場合には必要に応じて他の診療科や病院と連携を取り、治療に当たっていきます。たとえ「アルツハイマー型認知症」などの代表的な認知症であっても、早期に気づいて生活習慣の改善をするなどの対応をしていけば、その進行を遅らせることができる可能性があり、患者さまご本人やご家族の意向、その生活背景なども考慮しながら治療方針に反映していきます。
当院には認知症看護認定看護師もおりますので、介護サービスに関することやご家族としての心構えなど、個別のご相談に乗ることも可能であり、患者様、ご家族様とともにその後のことを考えさせていただきます。ご相談のある方は是非お気軽にお問い合わせください。

また、認知症の進行がみられ、自宅での生活が難しい、ご家族や介護者の方の負担が大きくなってしまっている、というような場合には同じ法人内の永生病院で一時的に入院加療を行い、お薬の調整や介護サービスの調整などの時間に当てていただくことも可能です。
認知症はすでにありふれた疾患となっており、うまく付き合っていくことがとても大切です。認知症という診断を受けたとしても、患者さまやそのご家族ができるだけ安心して、楽しく生活を送れるよう一緒に考えさせていただきたいと思っております。患者さま、ご家族だけで抱え込まずにぜひとも早めにご相談ください。